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加齢黄斑変性症とは? |
目の奥にはフィルム(網膜)がありますが、フィルムの中心部(黄斑部)が萎縮してしまったり、悪い血管が生えて出血し、ゆがみや視力低下を起こす病気です。50歳以上の人に生じ、有病率は1.3%とされています(2007年久山町スタディ)。 加齢黄斑ドットコム http://www.kareiouhan.com/も参考にしてください。 |
症状は? |
見ようとする中心が、ゆがむ、暗くなる、見づらくなるのが特徴です。 |
● こんなみえ方に要注意 ● |
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どういう人に起きやすのでしょう? |
● 加齢性黄斑変性の特徴 ● |
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上の図は、加齢黄斑変性症で眼底出血を起こした人の写真 |
治療は? |
加齢黄斑変性症の治療は、病変部を眼底の造影検査で見つけ、そこをレーザー凝固する方法があますが、物を見る中心に病変があると、暗点が残ってしまいます。光線力学療法(PDT)という悪い血管をつぶすレーザーが認可され、一定の治療効果を上げましたが視力改善効果は限定的でした。またPDTは注射後入院を要し副作用として大出血が起きることもあり、視力の良い患者さんには用いづらいのです(もちろんPDTが有効で必要な例もあります)。近年、新生血管や網膜の腫れを引かせる眼内注射(「ルセンティス」や「アイリーア」)が適応例では治療に用いられることが多いです。この注射は繰り返し行う必要があるものの、視力を保持するか多少の改善効果も場合によっては期待されます(副作用による悪化例もありますが)。そのため、視力が良い段階でも良い視力を保つため早くから行うように勧めています。病気が進み視力が落ちてからでは視力は改善したとしても限定的の事が多いからです。この注射の合併症で恐いのは、眼内炎(目の細菌感染)です。そのため当院では、患者さんの目の消毒・洗眼も注射前に行い、白内障手術と同様に手術室で注射を行っております。
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● 加齢性黄斑変性の治療 ● |
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早期発見は? |
まず、見る中心がゆがんで見えたり、暗く見えるときは、眼科で診察を受けることが大切です。普段は両目で見ていますので、片目が見づらくなってもなかなか気づきません。 そこで、自己チェック法としては、次の様にして調べます。
@片目を手でふさぐ。
A下の図の中心の点のみを見る。
B中心の点を見た状態で、ゆがんだり暗い部分が無いか調べる。
(ご注意:この自己チェック法は、完全ではありませんので、症状が何かある場合は眼科を受診して下さい。) |
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予防法は? |
日常生活のアドバイスです。 1.禁煙 2.外では紫外線や青色光を避けるためつば付き帽子をかぶる、紫外線やブルーライトを遮断する眼鏡をかける(単なる色つきメガネでは効果がありません。サングラスは色の薄い方が瞳の大きさが拡がりにくくおすすめです)。 3.緑黄色野菜(ケール、ブロッコリー、ほうれん草、などには目の網膜を保護するルテインが豊富です。ルテインは黄斑部に含まれる色素で、青色光から視細胞を守るとされています。また、加齢黄斑変性の患者さんのルテイン濃度が低いという報告もあります)、フルーツ(ビタミンC)、魚(マグロ、サケなどのDHA等のオメガ3脂肪酸が豊富)を良く採る。 4.食の欧米化(高カロリー、高脂肪)に伴い、昔は日本では加齢黄斑変性が稀だったのに増えてきたため、食生活の改善 5.高血圧も加齢黄斑変性の進行の危険因子であるためきちんと治療(運動、食事を含め)しておく 6.サプリメント:米国の臨床試験に基づいた成分を元に開発された製品がおすすめです(たとえば「オキュバイトプリザービジョン2 https://www.bausch.co.jp/ja-jp/our-products/vitamins-minerals-supplements/preservision2/」や 「オプティバリア レチナサポート http://product.nittomedic.co.jp/optibarrier/retinasupport/ など)。ルテインの他、ゼアキセンチン、亜鉛、ビタミンC、ビタミンEを含み、それらの摂取は米国の大規模な疫学調査で悪化率の軽減のエビデンスがあります。ルテインは体内で合成されませんので摂取する必要がありますが、緑黄色野菜から十分量摂ることは困難です。特に片眼の加齢黄斑変性が進行した方や、黄斑部に大型ドルーゼン(網膜の老廃物)がみられる場合に勧められます。加齢黄斑変性は悪化して視力が落ちてしまうと様々な治療に抵抗性で改善しづらく厄介な病気です。 7.定期的に片眼ずつ障子の桟や、風呂のタイルなどを見て、ゆがみや中心の見づらさが無いかチェックする(または老眼鏡を掛けて片眼ずつ、アムスラーチャートというマス目を30センチの距離で見てゆがみや中心部に見えない部が無いかチェックする)。必ず片眼ずつチェックしてください。 加齢黄斑変性の患者さんは週1回行うことをお勧めします。
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加齢黄斑変性症の図は、戸張幾生先生著 幻冬社「治し方がよくわかる疲れ目・目の痛み」および参天製薬 石橋達郎教授「加齢黄斑変性症」のパンフレットより引用 |
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